足音

もうすぐ集大成を見せる日がやって来る。

今日は初通し、照明も音響も入っての本番さながらの舞台。未だに掴みきれないものを必死に掴もうとしてきた。あとは走るだけ。


多少関係ない話。
そもそも私が劇を始めたのはある先輩を見たからだ。こんな先輩になりたいと思って劇をやっていた。なれないにしても少しはその人に近づきたかった。その先輩につい先日久しぶりにお会いした。
目指していた先輩はもう劇をやっていなかった。でも、サークルを立ち上げてパフォーマンスに明け暮れていたらしい。劇もそのパフォーマンスの原点なんだろうか？
あの時の先輩のように演技を器用にこなせるわけではないし、特に目立つほど能力が高いわけでもない。今回の公演で、少しでも憧れを持って貰えるような人間になれたらいいなぁ…と密かに野望を抱く。


岡 大資